こんにちは。「はたらくサポート新見」の児谷です。
1月31日(木)に開催された岡山県中小企業家同友会の新春経営講演会で、株式会社ヒューマンライフの中山英敬社長の講話をお聴きする機会がありました。「社員の自主性が企業の未来を開く」というテーマで、突然の起業から次々と立ちはだかる困難を乗り越えながら、「日本一のコールセンター」にチャレンジし続けている今日までのリアルな体験談を、笑いも交えながら情熱的に語って頂き、とても良い刺激になりました。その内容を少し紹介したいと思います。
事の始まりは、以前在籍していた会社でのショッキングな出来事。テレマーケティング事業の立ち上げを任され、命を懸けるがごとく奮闘していたにもかかわらず、わずか3年で撤退を言い渡されます。どうにも納得がいかず、自ら「日本一のコールセンター」を掲げ独立することを決意。ところが資金の持ち合わせがなかったため、初期投資に必要な3,000万円を集めるために、いきなりの悪戦苦闘。8枚のゴールドカードを作成して800万円を手に入れたほか、商工ローンから400万円、有志5人から1,800万円を借りるという、前途多難なスタートを切ります。その後も数々の苦難が襲い掛かります。創業直後には、経営理念の大切さを教えられていたため、それを作成し社内で訴えることに注力するも、結果として従業員に押し付けるカタチになってしまい、一気に求心力を失ってしまうことに。また、事業が軌道に乗り始め、2年で8社を立ち上げる多角経営に乗り出した際には、肝心のコールセンターの現場管理が疎かになり、何と40名ものテレコミュニケーターの退職を出してしまうこともあったということです。
お話をお聞きしていると、中山社長は何度も絶体絶命のピンチを迎えられています。ただ、どんなに苦境に陥っても、ギリギリのところで立て直しを行い、何とか乗り切っていかれます。その要因を分析するに、全ては中山社長の根底にある人間力に起因するものと考えます。他人のアドバイスを素直に聞き入れ反省する力。柔軟な対応力と強烈な行動力で改革・改善を断行する力。社員を信じ社員を思いやり社員に感謝する力。最初から持ち合わせていた力というよりも、幾多の失敗や困難を経験し、それら1つ1つに真正面から向き合い、そして克服していく中で、少しずつ積み上げ身に付けてきた様々な力が人間力となって発揮された成果ではないかと思うのです。
言うまでもありませんが、経営者は会社を見極める上で大きな判断基準の1つとなります。経営者と直接お話させて頂くと、将来に向けてどのようなお考えでどのような経営をされようとしているのか、ある程度わかります。 さらに、第三者からの客観的な情報やこれまでの実績なども照合することで、より立体的に理解できるようになります。会社の規模の大小に関わらず、良い経営者は会社の将来ビジョンを明確に持ち、的確な判断力と決断力で引っ張っていかれます。そこで大事になってくるのは、会社の数字を追いかける前に顧客満足を追求し、顧客満足を追求する前に従業員の幸福を考えるという、その思考の順序だと思います。この順番を間違えてしまい、立ち行かなくなった会社は非常に多いです。もちろん会社の数字が良くないと従業員の待遇も良くできませんが、結果だけで考えるのではなく、日常のプロセスの中でいかに社員を大切に考えているか、ということではないでしょうか?
中山社長の体験談の中にも、こんなエピソードがありました。お子様の怪我で早退したスタッフが翌朝出社した際に、社長自らがすぐに駆け寄って行き「大丈夫だった?」と声を掛けます。スタッフは急な早退で会社に迷惑を掛けたことをとても心苦しく思っていましたが、社長はさらに「あなたにとっては母親業が第一ですよ。仕事のことは心配しないで、何よりも大切なお子様のことを優先してあげてくださいね!」と続けます。これを聞いたスタッフは、うれしさのあまり泣いて感謝したそうです。また、この光景を見ていた周りのスタッフたちも、「社長が変わった!」と喜び、それから一気に会社内の一体感が高まったということです。「今まで社員を変えようといろいろとやってきましたが、なかなかうまくいきませんでした。でも、私が変わることで社員も自然に変わってくれました!」と中山社長。社員を思いやるちょっとした言動が、「この社長についていこう!」と従業員の気持ちを1つにし、そこから引き出された従業員の自主性が顧客満足へと繋がり、結果的に会社の業績アップをもたらした、ということではないでしょうか?
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