田舎の楽しみ方(野菜作り2年目)

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こんにちは。「はたらくサポート新見」の児谷です。

以前、「田舎の楽しみ方(野菜作り1年目)」と題したブログの中で、新見にUターンしてきた1年目の去年、毎日の食卓に出される新鮮野菜の美味しさを改めて実感し、実家に眠っていたコンテナを利用して、リーフレタスとラディッシュを作った体験談をお話ししました。わずか2種類だけのお試し農業でしたが、自分たちが1から作った野菜たちは、また格別に美味しいものでした。

そして2年目の今年は、もう少し本格的に、畑を使った野菜作りにチャレンジしています。両親から小さな休耕田を2枚譲ってもらい、管理機(ミニ耕運機)や鍬で耕すところからスタートして約半年。今では少しずつ収穫の時期を迎えています。

今回のブログでは、妻と2人で試行錯誤しながら取り組む、2年目の野菜作りについて綴っています。うまくいくことも失敗することもありますが、農業が特別なイベントではなく、日々の生活の中に溶け込みつつある現状を楽しめてきているところです。Uターンや移住(Iターン)を検討されていて、どんな田舎暮らしを送っていくか想像を膨らませている方には、少しでも参考になれば幸いです。

野菜作り2年目となる今年のテーマは、いろいろな種類の野菜を育ててみること。農業の経験値を上げる目的もありますが、バラエティに富んだ野菜を食卓に並べて、味比べを楽しみたいという願望もありました。また、できれば両親が作っていない珍しい野菜にも挑戦してみたいと考えていました。

そこで、限られた土地面積の中で、どんな野菜をどのようなスケジュールで作るか、計画的に進める必要があると考えました。おそらく一般的な農家でも、やり方はそれぞれかもしれませんが、ある程度事前にシミュレーションしながら取り掛かっているのではないでしょうか?例えば、野菜にはそれぞれ、種まき~定植~収穫に適した時期があり、これが場所によっても異なります。野菜作りの本や種入りの袋には、寒冷地(高冷地)・冷涼地・一般地・暖地などと表記されていますが、私の家は新見市内でも少し北寄りなので、寒冷地と冷涼地の間くらいでしょうか?一方、両親や近所の動きを見ていると、季節の移ろいや気温の変化を肌で感じながら、経験と勘を頼りにタイミングを計っています。なかなか素人には真似できませんが、これから少しずつ習得できればと思っています。また、連作障害と言って、同じ場所で同じ作物を繰り返し栽培すると、病原菌や有害線虫が多くなり生育が悪くなったりもするようなので、単年ではなく数年先までをイメージした計画ができればさらに良いそうです。

このようなことを少しずつ勉強しながら、パソコンで畑2枚分の平面図を作り、その上からどの野菜をどれくらいの数量植えるか、落とし込んでいきました。今年は、トウモロコシ・枝豆・レタス・里芋・ピーマン・なす・ジャガイモ・サツマイモ・山芋・キャベツ・大根・ラディッシュ・万願寺唐辛子・アスパラガス・オクラなどを入れてみましたが、様々な野菜たちが畑を覆い尽くす光景や、収穫や料理にイメージを膨らませる時間は、どこか旅行の計画を立てるのにも似ていて、とてもワクワクするものでした。そうして、まさに「絵に描いた餅」は出来上がりました。

次に、それぞれの野菜作りの時期に合わせて、種や苗を購入します。種を植えて芽を出させ、苗に育てることもできますが、最初から苗の状態で売られているものもあります。もちろん種よりも苗の方が値段的には高くなりますが、手間や育成のリスクを考えると農業初心者には苗の方が向いているようにも思います。なぜなら、私たちも最初はよくわからず、種と苗を適当にチョイスしていましたが、中には種から育てるのは難しい野菜もあり、うまく育てられずに改めて苗を買い直した苦い経験もしたからです。また購入先ですが、特に苗に関しては、より種類や数が多いホームセンターや種苗店をまわり、元気そうな苗をピックアップしていきました。時にはホームセンター主催の野菜作りセミナーにも参加し、土や肥料、農薬なども少しずつ手に入れながら準備を進めていきました。

また、同時進行で進めていたのが、休耕田を畑に転換する作業。何度も土地を耕しながら石ころや木の根、草などを取り除き、水はけを良くするために周囲に水路を作ったり、さらにはPH(酸度)測定器で土の酸度を図り、石灰等を投入しながら、作物が育ちやすい土壌へと改良していきました。続いて害獣対策。サルやイノシシ、鳥などが作物を採りに来ることを想定して、畑の周辺に支柱を立て網で囲いました。また念のために動物を追い払うための爆竹(ピストル)も購入しました。これでもとても完璧とは言えませんが、最低限のことはやったつもりです。小さな土地とはいえ、これらの準備はかなりの重労働でしたが、日に日に畑らしくなっていく様子をみながら、美味しそうな野菜たちがたわわに実る収穫の瞬間をイメージすることで、大変さよりも楽しさの方が上回っていたように思います。

さぁ、いよいよ畑での野菜作りです。もちろん種から育てる野菜は、最初はプランターや育苗箱を利用することが多いのですが、ほとんどは畑に畝を立てて苗を植えるところからのスタートです。私たちはできるだけ自分たちで勉強したり試行錯誤しながら野菜作りを進めたかったので、最も頼りにしたのは野菜作りのハウツウ本でした。その日に行う作業の関連ページをスマホで写真に撮り、畑でそれを確認しながら進めました。その都度土で汚れた手袋を脱着すのは面倒ですが、それでも問題をその場で解決できるのはとても効率的だと思います。また農作業をしていると、両親や近所のお年寄りがちょくちょく寄ってきて、いろいろとアドバイスをしてくれます。もちろん野菜作りの大先輩ばかりですが、何年やっていても奥は深いようで、近隣の畑を様子を伺いながら、自分たちの畑の参考にもしているようでした。こういったコミュニケーションは、田舎暮らしならでは、そして野菜作りならではではないでしょうか?楽しく充実した時間が過ぎていきます。

野菜作りは「種や苗を植えたら後は収穫を待つだけ!」というわけにはいきません。雨が降らない時は、毎朝の水やりは欠かせませんし、定期的に追肥や草むしり、そして周辺の草刈りなどが必要になってきます。作物に元気がないようなら、水や肥料は不足していないか、病気になっていないか、きちんと見定めてその都度対処していかなければなりません。野菜づくりのベテランたちは、毎日何度も畑に出ては、必要な手入れをきちんとされており、作物の管理が行き届いています。また、野菜を種類ごとに整然と並べ育てていて、畑を見ていて美しささえ感じます。一方で私たちのように、普段別の仕事をしている者は、1週間まとめて週末に作業するパターンが一般的かもしれませんが、野菜たちに迷惑をかけることも多くあります。そこはある程度割り切る必要があると思いますが、より立派な野菜を育てるためにも、今後ともよりよいやり方を模索していきたいと思っています。

さて、最近の食卓には、旬の野菜がたくさん並ぶようになりました。私たちが育てたものとしては、レタスやなす、ジャガイモ・大根・ラディッシュ・万願寺唐辛子などですが、両親やご近所からも様々な野菜を毎日のようにいただくので、本当にバラエティに富んでいます。また1つの野菜でも調理方法で様々な味になるため、それだけ楽しみも増えているように感じます。もちろん、野菜中心の食生活は健康にも良いので、将来的な健康寿命を考えても、かなり良い影響が出てくるものと思われます。

以前のブログでも書きましたが、どうせ田舎で生活をするなら、少しでも農業を体験されることをオススメします。大変さや煩わしさばかりが強調されがちですが、それを乗り越えた先には、田舎ならではの楽しみや幸福感が満載です。是非ご一緒に楽しみましょう!

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